生命の源「森林への関心」が未来を救う!

【公益社団法人広島県みどり推進機構】発行の情報誌「ひろしまの緑」最新号(Vol. 102)・巻頭言にもりメイト倶楽部山本理事長が登場しました‼ この情報誌は年4回発行され、みどりの啓発活動に広く貢献しています。是非ご一読ください。

日本の森林の現状は林業不振により森林所有者の管理意識が低下し、手入れ不足の人工林と、薪や炭、肥料の調達都市の場として利用されることで健全な状態を維持してきた里山林も、自然からのエネルギーを必要としない生活の変化から今では放置され、樹木が密生する暗い森林へと荒廃の一途を辿っています。森との関わりが希薄になった無関心の先には土砂災害や農作物に被害をもたらすイノシシやシカのねぐらや不法投棄の場となり、結果として私たちの生活に悪影響を及ぼす危険性があることを忘れてはならないと考えています。

平成6年の「平成の大渇水」は水の大切さや供給に対する危機管理の重要性を県民に喚起しました。森への関心が高まった平成8年に広島市農林整備課(当時)が始めた森林ボランティアリーダー養成事業では30名の定員に対して約6倍の応募がありました。平成9年に弊会は1年間の講座を修了した第1期生の有志によりまして、荒れた森の再生と保全を目的に、高いレベルの知識と林業技術を磨き、「県民の森づくり運動の先駆的な役割を果たすため」設立いたしました。

活動は人材育成、地域づくりにも及び、多岐にわたり活発に展開しています。メイン活動の定例会では「地域貢献プロジェクト」と銘打ち「森のお助け隊」として毎月、ご縁を結んだ各地の地域団体を支援しています。そのほかバラエティーに富んだ活動で魅力を発信する部会も。「里山部会」は天然林を整備し炭焼きやシイタケ栽培など里山文化を原体験できます。「クラフト部会」では定例会と部会等の整備で発生する伐採木の有効活用を考え、製材や加工もおこなっておりまして、森づくり活動を伝導する木工教室を運営。学校や行政等の事業に応えています。そして「環境教育研究部会」では未来に引き継ぐ取組として「こども森林ボランティア養成講座もりメイトキッズ」を18年間続けています。さらに自治体や企業。他団体の要請に応じて、希少種の保護など生物多様性の観点やSDGsを遂行する教育事業のプログラムデザインから指導までをおこなっています。これらのノウハウは実際に森づくりに汗を流してきた実績の賜物によるもので、すべてが互いに連携しているのが特徴といえます。

森づくりを昇華していくために今、切実に思うことは先駆性や継続性を期待され、自助努力で尽力する市民活動団体が疲弊する前に、活動場の提供などの支援や裾野を広げる県民参加の活動の推進など、行政のモデルチェンジも急務であり、協働を続けたいと強く思っております。また県民の皆さんには生命体に必要な酸素や水を育む森は、温暖化の原因である二酸化炭素の吸収源のほか、多面的機能が多く恩恵を与えてくれていることを念頭に置いて頂き、今年の異常な暑さに向き合って当事者意識で「私にできることは何か」を模索する絶好の機会にしてもらえたらと願っております。

非営利活動法人もりメイト倶楽部Hiroshima 理事長
山本 恵由美


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