フジバカマ (藤袴)<キク科・ヒヨドリバナ属>
中国原産の多年草。古い時代に薬草として渡来したものが野生化した帰化植物といわれている。秋の七草のひとつ。茎は1メートルほどになり、葉は対生し長さ8~13センチ。やや厚く光沢があり3深裂する。花は枝先がいくつにも分かれ、淡紅紫色を帯びた白色の小さな頭花を密に付け、晩夏から秋にかけて咲く。葉にはクマリンが含まれ乾燥させると桜餅の香りがする。野生のフジバカマは、河川改修などにより、いまや絶滅に瀕する植物のひとつ。近縁種が庭園や庭に植栽されている。・・・▼友人が大切に育てているフジバカマに今年も、旅をする蝶アサギマダラが飛来。偶然にもその場に居合わせたのは幸運だった。▼アサギマダラは台湾や東南アジアから日本にやってくる。空の上からフジバカマの蜜をめがけて降りてくる。アサギマダラとフジバカマの関係は奥が深く、知るほどに興味深い。今年は暑さのためコースを変えたとも聞く。▼叡智に富んだ自然界。そこに生かされている私たち。秋の夜長、虫の音を聞き、オリオンの星を見上げ、遠くに思いを馳せるのもまた、よきかな。
~佐伯区湯来町2024・10~
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