理事長 山本恵由美
森林整備活動や自然体験等で除伐した材を有効利用することは、循環を考える上で重要な事。
クラフト部会は森の中だけではなく、屋内外、場所を問わず展開できるため、森林整備の重要性や有効活用の啓発が出来る部会として重要な責務を担っています。多くの会員の楽しみとしても有用な部会。社会的に大きな貢献を実現していくためにはさらに皆さんの参加、協力が必要不可欠です。このたびはその呼びかけとしてお伝えします。
倶楽部を発足した当初は、大勢の仲間が集まって活動することがとても楽しみで、毎月その日が待ち遠しかったこと。そんな例会では間伐、下草刈り、里山整備と作業をこなしている合間に、木のツルでカゴを編んだり、小枝のついたヒノキの皮を剥ぎ、乾燥させて白木のハンガーツリーにしたり、作業で出た材料を利用するクラフト工作もまた楽しみになっていきました。
そんな中「間伐部会」、「里山部会」と目的を持った部会活動がはじまり、クラフトについても「ただ山で作業をするだけでなく自然の物を活用して作る」また、そのために人々が集まることも含めて活動していこう、という事で
2003年から「クラフト部会」がスタートしました。
部会として最初の活動は、2003年10月25日に安佐北区白木町の中世の山城の北田城跡で開催された森の音楽会。その時に演奏していただいた広島市立舟入高校吹奏楽部の皆さんに、お礼として「状差し」を作り、プレゼントすることから始まりました。
クラフト部会の変遷:part1
初代の山田部会長の時代は、部会の方向性を模索するためにまず施設やイベント等の視察から始まり、2004年に広島市環境局中工場の「エコ祭り」、2005年に島根県邑南町の「香木の森公園」、2006年には三次市のウッドピアなど研修場所も拡大、少しずつ出向いて指導もする様になって行きました。
2代目の磯貝部会長は、桶屋職人の父の姿を見て育ち、木工が趣味で自宅の裏に道具も揃った工房を持ち、技術力の高さから精巧な物作りを得意としておられました。とても勉強熱心で見聞を広めることも楽しみの一つにされていました。
高齢者や子どもの接し方、ケガをしないように要領よく道具を使う方法、工夫や研究する姿をしっかり見せていただきました。磯貝師匠に習ったことは多く、「技術の基本は押さえること」と「子どもたちに教え伝えていくことの大切さ」をいつもニコニコと語って下さったことは指導の要になっており、部会の素地を固めていただいた神的存在。感謝してもしきれません。
クラフト部会の変遷:part2
2010年に西区美鈴が丘に拠点を移し工房を構えて、最初はノコ、小刀、接着剤、グルーガンなど小さな工具を使っていましたが、徐々に大きな工具も揃えられるようになり、扱う材も大きなものが加工できるようになっていきました。
2007年からは環境教育研究部会が発足し、自主事業である「子ども森林ボランティア養成講座 もりメイトキッズ」が開催されるようになると、クラフト作りの指導を担い、今に至るまで連携協力をしています。
2013年「一般財団法人セブン-イレブン記念財団」の助成を受け、エンジン式移動製材機を購入。丸太運搬通路など広い作業加工場所の確保が必要になってきたので2016年1月から製材機は湯来町麦谷の松波邸敷地へ。工房は安佐南区祇園山鹿ケ谷の「NPO 法人里山環境保全みどり会」に所有地への移転をお願いして現在に至ります。
部会の主な行事として広島市主催の春と秋のグリーンフェア、広島フラワーフェスティバル、広島市森林公園で開催されるひろしま森の市、福祉分野などにもクラフト指導で参加してきており、企業からの依頼や学校教育の事業でも欠かせない存在になっています。
継続できた理由
- ≪豊富な道具≫
- 助成金や謝礼、会員寄贈等で電動工具を増やしてきた、精密で凝ったものが作れるという気持ちが一歩前進するバネとなっている。
- ≪満足感≫
- ノコや金槌、ナイフを使ったことのない子供たちに教え、道具の使い方など技術向上と同時に、間伐材クラフトを通して森を知るきっかけになっている満足感。
- ≪達成感≫
- 出来上がった作品を見て喜ぶ子供たちや家族の笑顔、持ち帰りできる喜び、指導する方も喜びを受け取る。間伐利用は森の重要性を伝えるツール。使命を果たす役割を担う達成感。
【クラフト部会のモットー】は ➡「他団体との交流や出会いを大切にし、ものづくりの楽しさを伝える」
今後の目標は
①部会メンバーを増やす!
②作品集、マニュアル集の作成
※今まで作ってきた干支の見本など作品の写真の数々をデータとして残す。
③作品展示会などの視察、勉強会を行う。
④部会独自で企画・運営するイベントの開催(技術の伝承の木工教室など)
クラフト好き集まれ〜!!
クラフト部会力作干支シリーズ
上記のように計画を立てながら今後も、あらゆる場に出かけて行き、森の恩恵、人との関係など整備活動だけではできない「啓発活動」を展開し、さらに森づくりに貢献していくために、参加をお待ちしています。
「20年の歩みとこれから」一部抜粋
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