【今月のひと枝】ヒカゲノカズラ(日陰の葛)<ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属>

ひと枝

 

北海道から九州に分布する ツル性の常緑シダ植物。丘陵地から深山にかけ広く自生する。径5㍉ほどの茎は、ツルのように地表を這いながら長く伸び、左右から交互に短い枝を立ち上げる。茎は根を出しながら2~3㍍にまで達し、スギの葉のような線状の細い葉を密生する。夏、分岐した茎の頂に数個の胞子嚢を付ける。胞子は黄色で石松子(セキショウシ)と呼び丸薬の衣に、茎は採取した後も緑を保ち腐りにくいので、花材アートの素材、鯉や金魚の産卵巣に利用される。古くから親しまれ、古事記にも登場し、神事を司る時の襷(たすき)に使われたことから「カミダスキ」の別名を持つ。・・・▼寒波到来。市内とは打って変わり湯来町はすっかり雪国の装い。目を落として見た雪の合間に覗く緑の「ヒカゲノカズラ」、新鮮でなんとも愛おしい。▼雪掻きは骨の折れる作業だが、山裾から伸びた真新しい雪上の足跡に、ここぞとばかりに命の気配を感じ、エールを送りたい思いに駆られてしまう。▼季節は真冬。寒い時には寒く、寒いほどに春の到来に心は膨らむ。

—2017・1・22 佐伯区湯来町にて 降る雪を眺めながら―

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