山本恵由美・副理事長の代理で、「もりメイトキッズの活動報告」のミッションを受け、ボルネオ島サラワク州へ4泊5日の海外派遣研修に同行しました。熱帯雨林の保全活動の視察や村でのホームステイなど貴重な数々の体験の一端を報告したいと思います。
≪マレーシアのとの関わり≫
恵由美さん談『関わりは、私と森嶋先生(広島修道大学名誉教授)との出会いから始まる。先生の講義で何度か講演をし、倶楽部の活動を紹介。非常に評価が高く、マレーシア支援をしている先生は現地に倶楽部の取り組みを紹介。特に環境教育である「もりメイトキッズ」の取り組みが、現地の環境保全に役立つと考えられ、昨年、マレーシア大学教授と大学院生をお呼びし、現地視察に来られた。これまでの成果が、今後は国際的な活動に広がることは大変、名誉なこと。嬉しい限り。これからも研鑽をしていきたいものです。』
≪ ボルネオ島 ・ 州都 クチンへ ≫
すでに日本を発って、現地での研修を進めている10名のNGO活動研修生(主に大学生)の一行に合流すべく、関空からクアラルンプールを経由し、州都クチンへ。日本とマレーシアの時差は1時間。渡航時間約9時間を経て無事にクチン空港に到着。翌日は現地の「セント・ノバート小学校」を訪問、子供たちの満面の笑みで歓迎を受けた。こちらの小学校へは、今年の3月に、廿日市「原」地区の子供神楽団が訪問し、交流をしている.来年にはマレーシアの子供たちが来日する。
民族ダンスの衣装をまとって
≪ 熱帯雨林再生活動とオランウータンの森 ≫
学校を後にして、アペン地区の保護林を視察する。そこで見た熱帯雨林を構成する代表的な樹種「フタバガキ科」は、50㍍にもなる巨木。ズド~ンと空に向かって立つ様は迫力がある。落ちている葉は新聞を広げたように大きい.マレーシアでは、開発と自然保護の両立という課題を抱え、様々な環境保全活動が行われている。熱帯雨林をよみがえらせる植林活動は、種を集め、苗を育て、植林し、下草を刈るなど技術を支援し、地元の住民が保全・再生に当たる。
フタバガキ科の樹種は数年から10年に一度しか実を付けず、収集は大変と聞いた。野生生物保護センターでは、オランウータンの保護の取りくみについて学んだ。熱帯雨林は多くの動物や植物の生息地。アブラヤシの大規模な農園開発によって森が壊されている今、様々な生命を救う事を目的として「オラウンウータンの森基金」が設けられている事を知った。地球規模での取り組みを覚えていたい。
フタバガキ科の大きな葉を持つ、研修員の女子大生
≪ トン・ニボン村での事 ≫
クチンから車で2時間、二日目のこの日は村でホームステイ。昼間は村の伝統的な編み籠作り、胡椒や、アブラヤシの収穫体験を行った。村長の家で野菜、魚、鶏肉などの伝統的な美味しい夕食を頂いた後、数人ずつに分かれそれぞれの家へ。お風呂は水桶から水をかぶる水浴び。これがサッパリとして何とも気持ちがいい。村には犬、猫、鶏が闊歩し、豚も飼われ のどかそのもの。人々は大きな声で語らい、笑い、寄り添い集う。温かな日本の原風景を彷彿させられた思いがした。夜は、集会所にて伝統楽器や伝統の踊りを教えてもらい子ども達と遊び、共に交流を深めた。朝はあちこちで鳴く鶏の声が目覚ましとなった
編み籠作りを習う学生たち
≪アペン森の学校へ≫
4日目、一番の目的「アペン森の学校」のプログラムに地域の中高生、マレーシア・サラワクの大学生達と共に参加。森の中に用意された特設テントは風通しもよく快適。開会のセレモニーや説明が終わり、昼食後いよいよキッズの活動報告。磯貝さんからお借りしてきた間伐材を利用したクラフトや写真も合わせて紹介、先生達は非常に興味と関心を示された様子だった。その日は、森に関しての難解なクイズやアクティビティを行い、ペアを組み、在来種フタバガキ科「エンカバン」の苗を各20~30本植えた。森林破壊という大きな問題を抱えているマレーシア、未来の為の環境教育が非常に重要な課題となっている。
「アペン森の学校」でのもりメイトキッズの報告場面。
聞き入る参加者の様子
磯貝さんからお借りしたクラフトを手に取ったり写真に収め、熱心に見入る教師たち。
☆11月にはサラワク州政府の方々、現地在住の酒井和枝さんたちが環境教育の一環の参考にと「もりメイトキッズ」の活動を視察に来られる予定です。☆
報告:原田 澄(3班)
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