ヤツデ(八手)<ウツギ科・ヤツデ属>
高さ1~3㍍になる常緑低木。関東~沖縄の暖温帯、特に海岸に近い林に自生する。葉は光沢のある分裂葉で7~9裂、時に11裂。大きさは20~40㌢、葉柄は20~50㌢にもなる大形で、別名“テングノハウチワ”と呼ばれる。初冬、枝先に球形の白い小花を咲かせ、翌年の晩春、黒く熟した実を結ぶ。日陰でもよく育つので、公園樹や庭木に用いられるが、ヒヨドリなどの野鳥が果実を食べ種を運ぶため、至るところでよく見られる。名の由来は葉の形、「八ツ手」からきているが、殆どは奇数。・・・▼絶えない紛争、季節はずれの自然災害が世界のあちこちで起き、不安を抱えた地球の新年がスタートした。他人事では済まされないし、後悔するには遅すぎる。▼〝ヤツデ“の葉は互生に付き、重なり合っているが、柄の長さを変えながら、巧みにすべての葉に日が当たるような仕組みになっている。▼争うことなく知恵を働かせ、平等に光を受け取ろうとする“ヤツデ”。その姿からは「平和」の二文字が連想される。ピンチはチャンス。どう生活するかで未来は変えられる。明るい年になりますように。
―2016・1・3 湯来町にてー
原田 澄
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