なおこの日の取材は、来年から休日となる「山の日」を前に特番として放映されます。ご覧下さい。
8月9日(日)16:24~16:54 RCCテレビ
実施日:2015年7月19日(日)
参加者:13名
7月度の間伐部会は、RCCテレビの取材を受けた。“市民が山の手入れをする風景“が撮りたいというRCCテレビの要望を受け、間伐部会に白羽の矢が立ったもの。当日は、あいにくの小雨模様でしたが、間伐作業の参加メンバーは張り切ってスギ・ヒノキの伐倒作業を実施しました。
今回の取材の機会を捉え、改めて間伐の必要性と間伐部会の活動状況を振り返ってみました。間伐に関心が薄かった方、そもそも間伐作業自体を知らなかった方は、是非興味を持って頂き、間伐部会へ参加される方が増える事を期待します
- 森林の現状
間伐が遅れ荒廃した人工林が増えています
樹木の最上部同士が接し太陽や風をさえぎるほど密集した状態となり、林内が暗く下草も生えず土が露出しています。
・もやしのような細長い木が多くなっている。材木としての価値が低い。
・木の根張りが弱く保水力が乏しい。土壌流出や土砂崩れが発生しやすい。
・林内の生物の数が少ない。
緑の砂漠と言われることもあります。
2.間伐の狙いと効果
間伐により木を抜き切りして地面に太陽が当たるようにし、下草や広葉樹が育つようになります。
・土砂流出が抑えられ治水効果が高まります。
・川に流れた養分は、海を豊かにします。(広島湾の養殖カキの味を高めるなど)
・土もふかふかの腐葉土となり、保水力が高くなります。
・その結果、落ち葉や生物のフン・死骸が木の養分となり、木の肥料となる。木の根がしっかり張る様に間伐をすることによって、森が健康になります。
3.間伐作業の概要
約1.8m間隔で植林したスギ・ヒノキの苗は、成長するに従い木と木が密集して成長が阻害される状態となる為、一般的には植林後20年~50年の間に3回程度の抜き切り(すなわち、間伐)を実施します。
植林時の3000本/haを800本/ha程度まで減らし、植林したスギ・ヒノキが健やかに成長できる様にします。
4.もりメイト倶楽部Hiroshimaの間伐部会とは
もりメイト倶楽部Hiroshimaの中の専門部会の一つとしてH12年に発足し、現在まで約15年の活動実績があります。森林所有者からの要請に従い、スギ・ヒノキの人工林の間伐を実施しており、年間1ha~2haの間伐をこなしてきた結果これまでの累積間伐面積は 20haを超えています。
5.手間がかかる間伐作業を省略する為、植林時の植え付け本数を減らしたら良さそうですが…
良質な木材とは、“木目が揃って緻密”、“節目が少ない”ですが、植林時の植え付け本数を減らすと
・枝が密生して、節だらけの材となる。 枝打ちの手間もかかる。
・成長が早く、木目の荒い材となる。
・幹がまがった木となり、材木として利用しづらい。
この様に出荷時の品質が劣る材木となり商品価値が落ちる為、荒植えは好ましくありません。
6.間伐部会の参加動機と魅力
多くのメンバーは「荒れている森林が目に付くようになっている。何とか森林再生をしなければ!」という思いで参加しています。
・間伐をすることで森林所有者に感謝され、地域貢献できているという達成感を味わえる。
・間伐作業では、非日常の体験ができる。大きな木になればなるほど、その伐倒作業は難しく危険を伴う作業である。安全に倒す為には技術が必要となる。それだけに思うように大木を伐倒できた時の爽快感はひとしお。病みつきになる。
立木の伐倒では、チェーンソーで切り込みを入れながらロープを掛けて引き倒すと、伐倒方向が安定して安全です。チェーンソーでまず受け口を作り、次に追い口を入れて伐倒します。追い口の位置を、チョークを使って確認しています。
チェーンソーで追い口を切りつつ、ロープで立木を引き倒しています。伐倒する立木の最上部の枝が隣の立木の枝とからまり、全員が息を合わせ思いっきりロープを引かないとうまく倒れません。(運動会の綱引きを彷彿させます。)
伐倒する木にロープを掛ける時は、木の重心位置よりも高くなるよう出来るだけ高い位置にロープを掛けます。樹高の1/3程度が目安です。枝が多いと、器具を使ってロープの取り付け位置を上げてゆくのも一苦労です。
(報告:2班 河野裕人)
No comments yet.