本州(岩手県以南)、四国、九州に自生する 常緑小高木。
高さは2~6メートルでよく枝分かれし枝葉が密生する。
葉は厚い光沢のある革質で浅い鋸歯があり、長さ1~3センチ、
幅5~15ミリで互生(互い違いにつく)する。
雌雄異株、6~7月に淡黄白色の小さな花を付け、秋には直径約5㍉の実を結び黒く熟す。
名の由来は“ツゲ”に似ているが、材としては役に立たないという事から。
“ツゲ”は葉が対生(対になってつく)であり、科も「ツゲ科」で全くの別種なので見分けも容易。
“イヌツゲ”は葉の大きさや形に変化が多く、樹皮からは「鳥もち」がとれ、
萌芽力が強いので、生け垣や庭木などに利用される。
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▼2ヶ月振りの間伐、作業前には間伐マニュアルを念入りに読み合わせ、ラジオ体操でウォーミングアップ。
所々に雪が残り、頬をなでる風は冷たいものの、
仰ぎ見る空はまばゆいほどに青く映り、心に勢いがみなぎるよう。
▼いつも、火を絶やさずにいてくださるミセス沼田は花粉症のため休み。
簡易ベンチをあつらえた焚き火場には、火の気がない。
火の有り難さと焚き火を守って下さる沼田さんに、あらためて感謝。
▼雪残る杉林の陰で、シダや苔に混じり青々と茂った“イヌツゲ”を目にした。
イヌツゲは枝葉がよく茂り、芽吹く力が強い。
切り口からはたくさんの新芽が出、木としての形を作る。
▼じきに迎える2年目の「3・11」。
復興の進まない被災地、加えて放射能汚染不安を抱えながら懸命に生きる福島。
萌芽力よ、旺盛であれ。寄り添い、支援者としてどう関わっていけるのかを自問しつつ・・。
―2013・2・17 佐伯区湯来町多田 長尾の私有林にて―
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