子ども森林体験記 学校間交流事業報告

太田川流域の小学校を対象に行なう学校間交流事業、「安芸高田市向原 鷹巣山 体験学習」は早いもので5年目、11回を重ねここに500人 近い生徒が訪れてくれました。
(2008.10.24,31)

  • 今年度実施
    10月24日: 広島市立井口明神小学校 84名
    10月31日: 安芸高田市立向原小学校 24名
    (9月26日 東広島市立平岩小学校は今年度 安芸高田市の森林税を利用 10月号掲載)
  • 場所: 向原町保垣

この事業を継続してこられたのも地元の活動団体「保垣照山会」の皆さんの郷土を愛する 思いと熱心さ、そしてなにより温かい「おもてなしの心」によって支えて下さったおかげ と感謝しております。

このプログラムは「自然の中で森林の働きや恵み、かつての人との関わりから人手不足等 で荒廃している現状を伝え、実際に間伐作業を通して手入れの大切さを理解してもらい、 環境について考える」という流れです。

子どもたちは初めて林内に入り本格的にノコを使い、難儀することをまず体感します。 そしてみんなで力を合わせてロープを引っ張る中での緊張感、大きな音を立てて倒れ行く 大木の振動が全身に伝わる。 光が差し込み湧きあがる歓声。玉伐りしながら漂う木や土の匂い、体いっぱいに五感を一つ の空間で味わって、「手が痛い、疲れた~」と言いつつ顔つきがみるみる変わってゆきます。

昼食時には地元野菜がたっぷり入った豚汁と新米のおむすびが振舞われ、囲炉裏小屋や初めて オオサンショウウオを見て触って大喜び。

午後から間伐材を有効利用する工作の意味を理解させ、自分が伐ってきた材で各々に世界に一 つしかない作品を完成させていきます。

環境問題は結局、人間の毎日の暮らし方。 少し意識することで変わるのだから 「自分にできることから始めよう」 と子どもたちは目覚めてくれます。
最後に地元からのお土産の新米を恐縮 しながら戴き、名残惜しそうに手を振る 子どもたちを見送るとき、今日学んだこと や自然を守り地域を大切に思う人たちの 情景を心のどこかに 留めていて くれますように  といつも 祈っているのです。

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