20年の歩みから
~つなぎ つながる未来へ向かって~
(会報誌「もりの手紙」2018年 理事長挨拶)
NPO法人もりメイト倶楽部Hiroshima
理事長 山本恵由美
私たちはこの20年あまり、大きな力で私たちの暮らしや文化を守り、恵みを与えてくれる森林を守るために「森は私たちの宝もの。未来へ残したい、伝えたい!」という思いを掲げて、「森林の重要性」と同時に「保全の必要性」、そして「自ら行動する意義」を啓発し続けてきました。
広島市が開催する「森林ボランティアリーダー養成講座」の修了生にむけ、自主グループの発足を提案してからこれまで、議論を重ねて技術の研鑽と共に、森林の価値を活かす方策を考えながら紆余曲折。活動は年々拡充し続け、いまや森林整備や里山自然体験のみならず、材の利活用、青少年に対する環境教育普及活動、指導者として活躍できる人材の育成、地域団体を支える貢献事業、さらに生物多様性の観点から社会ニーズに応えるべく、広島県のみに生息域を残す絶滅危惧種のヒョウモンモドキをはじめ、ギフチョウ、国蝶オオムラサキ、ミヤジマトンボ等の希少種保護の整備等、多彩な活動を手掛けるようになり、県内外を問わず依頼があれば積極的に関わり、無我夢中で走り続けて参りました。
その中で活動のみに終始することなく人との関わり、地域づくりなど「社会に貢献していく公益性」を常に意識することや安全管理を最重要視してきました。保証の高い保険の適応など、当初から活動参加者を守り育てる組織運営を目指し、ビジョンの明確化、情報発信などを含め、リスクマネジメントに力を入れた活動を展開してきたことに誇りを持っています。
発足の翌月から発行を続ける会報「森の手紙」をひも解くと、歴代の会報編集者はもとより、実に多くのご縁によってここまで活動が進められてきたことに感動を覚えます。
多くの優秀な仲間とともに大きな功績を残すことができ、他団体や行政、企業等、各界で高評価をいただくようになり、事業の依頼や寄付などの支援をいただく成長ぶりは皆さまのお陰によるものです。
これから本会が、持続可能な社会を創るためのさらなる貢献は、やはり地域林業の活性化は欠かせません。例えば森林所有者との間で協定を締結し、適切な経営管理のもと除伐、間伐材等の木質資源の有効利用による収益を分収するなど市民活動を「シゴト化」にしていくことも私たちに課せられています。資源を循環的に活用し地域と連携した良好な自然環境の保全に努めていきたいと思っています。
未来につながる役割を担う私たち。共に汗を流す若い仲間を一人でも多く増やすことも最重要課題です。これからも公益に寄与する活動を行う熱い「つなぐ市民組織」であり続けたいと考えています。本年もご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。